発酵N-アセチルグルコサミン
美肌や関節作用などで有名なヒアルロン酸。その主成分になっているのが「N-アセチルグルコサミン」です。
ヒアルロン酸は「N-アセチルグルコサミン」と「グルクロン酸」が連結した構造をしています。
ヒアルロン酸は分子量が大きいため、摂取しても吸収されにくいことがわかっています。
N-アセチルグルコサミンはヒアルロン酸の1/400~1/3000ほどの大きさのため吸収されやすく、ヒアルロン酸の体内生成に貢献します。
N-アセチルグルコサミンはは、エビ・カニ由来であり、アレルゲン表記が必要な素材だったのですが、近年は、アレルゲン表記の必要がない発酵生産されたN-アセチルグルコサミンも流通し始めています。
通常のグルコサミンとの違い
通常のグルコサミンはグルコサミン塩酸塩またはグルコサミン硫酸塩(日本では医薬品)と言って、グルコサミン自身は甘いのですが塩(塩酸や硫酸)を含むため、特有の苦い渋味がします。
N-アセチルグルコサミンは、甘味料としての実績のあり、ショ糖の半分くらいの自然な甘さがあります。そのため、錠剤やプロバイオティクス商品の基材に用いたりすることも可能です。
ヒアルロン酸の約3倍パワー!の理由
吸収されて肌や軟骨の原料になる成分は、体内で吸収されて各組織に運ばれ利用される割合が高いほど効果が期待できます。
一般的なグルコサミンの場合は、8.0%、ヒアルロン酸は8.8%ですが、N-アセチルグルコサミンは24.7%と約3倍も高くなっています。
これは、N-アセチルグルコサミンが体内に存在する成分と同じ構造なので、効率よく利用されるからです。
引用文献:
ラットにおける14C標識N-アセチルグルコサミンの体内動態 キチンキトサン研究 1999; 5: 34-42.
有効性情報
乾燥肌の改善
肌に潤いを与えるヒアルロン酸の主成分であるN-アセチルグルコサミンは、体内でのヒアルロン酸生成を促します。
N-アセチルグルコサミンは、サプリメントで摂取しても、化粧品として皮膚に塗布しても乾燥肌の水分量が増加し効果があることがわかっています。N-アセチルグルコサミンを500mg/日、ヒアルロン酸50mg/日で8週間摂取し、肌の水分量が改善しました。ヒアウロン酸に比べ、N-アセチルグルコサミンの方が顕著に改善しました。
N-アセチルグルコサミンは、肌のエイジングケアとして効果的な機能性原料です。
引用文献:
N-アセチルグルコサミンの乾燥肌に対する臨床効果の検討 Aesthetic Dermatology 2008; 18(2) 91-99.
関節痛の改善
ひざ軟骨はコンドロイチンやヒアルロン酸といった、N-アセチルグルコサミンを主成分とする多糖類と、コラーゲンのタンパク繊維で構成されています。
ひざの痛みの多くは、軟骨の劣化が原因で引き起こされるため、軟骨成分である、N-アセチルグルコサミンを効率的に補給することが大切です。
実際にN-アセチルグルコサミンを摂取することで関節痛の痛みが緩和されることがわかっています。N-アセチルグルコサミンは、500mg/日ならびに1000mg/日で8週間摂取し、膝関節の痛みを評価した結果、両群は、改善傾向としてプラセボに比べて有意な差が認めらています。
また、量の依存性も確認されており、強い負荷に対する痛みの改善率は、500mmg/日より1000㎎/日の摂取の方が明らかに高い傾向が認められています。
このように、グルコサミン塩酸塩(1500mg/日)よりも少ない量で改善効果が示される理由などからも、グルコサミン3倍パワーとも表現されます。
引用文献:
天然型N-アセチルグルコサミン含有ミルクの変形性膝関節症に対する治療効果 新薬と臨床 2003; 52(3) 301-312.
How to Use 使用方法
打錠性に優れ、味もほのかに甘く顆粒やドリンク・ゼリーにも使用しやすいのが特徴です。チュアブル錠もオススメですが、美味しい味は飽きやすくもあるので、ほのかな甘さが特徴の無香料・合成甘味料フリーの錠剤への加工の方がオススメです。
剤型適正:
錠剤:◎、ハードカプセル:〇、ソフトカプセル:△、顆粒:◎、ドリンク・ゼリー:◎
1日の推奨摂取目安量:
N-アセチルグルコサミンとして1日500~1000mg
※現時点では、SRの提供は行っておりません。
表示名称:
N-アセチルグルコサミン
相性の良い素材
以下のような、美容系や関節系の素材と相性が良いです。
・プロテオグリカン(汎用原料)
・フィッシュコラーゲン
・ヒアルロン酸
・植物性セラミド
・各種乳酸菌
・フェリチン鉄
鉄については、プレバイオティクスとしての位置付けで用いることがオススメです。各種乳酸菌と合わせて、腸内環境の悪さから便秘や大腸炎が原因の鉄欠乏にアプローチするのもオススメです。
なお、本原料は、弊社で常時在庫しておりますが、原料販売は行っておりません。OEMでのみ利用しております。