分析上の注意点
本ページでは、弊社で実施された分析の経験の中から、お客様にご注意いただきたい事例を紹介させていただいております。随時、情報を増やしていく予定です。
1. 栄養成分分析
1-1. ジオスゲニン原料の脂質
ジオスゲニンの原料:ジオパワー15を分析した場合、関西の日本食品分析センターを始め、脂質の分析結果が「検出不能」になってくるケースが生じています。分析の脂質の抽出工程にて抽出された検体の性状が脂質としてみなされないために起こります。その際、脂肪酸分析が必要になり、分析コストも5万円前後に跳ね上がります。ご注意ください。
なお、同様な傾向が、クルクミン原料でも生じております(日本分析センター 東京)。水溶性でも油溶性でもない中間の性質を持っている成分では、こういった問題が起こりやすいようです。
1-2. まめ鉄の鉄
まめ鉄を配合した製品で分析を実施する際、値にブレを生じるケースがあります。特に、試作品の場合、生じやすいです。
理由は、重さ(嵩比重)です。
まめ鉄は、嵩比重が低く、製剤化した際、均一にならないケースがあるようです。その不均一さがブレの原因になっていると推測しております。現在、嵩比重の改良なども行っており、今後、かなり改善されると予測されますが、加工方法によっては、ブレが生じやすい可能性がございます。ご注意ください。
また、まめ鉄に関しては、分析方法によるブレも確認されております。
同試験機関にて分析方法を変えて検証を行った結果、マイクロ波処理されたICP-MSの分析方法が最も安定した結果が得られます。ICP-OESや原子吸光光度法で分析を実施した場合、全体的にやや低めの値が示される傾向が確認されています。
なお、海外で実施されたマイクロ波処理されずにICP-MSで分析を行った結果では、値がばらつく結果が示されてます。
2. 機能性関与成分分析
2-1. ジオスゲニン(遊離体)全般
ジオスゲニンは、分析機関による検出値のブレが確認されております。日本食品分析センターの値だけが2~10%の幅で下振れいたします。ご注意ください。
なお、その下振れの原因は、解明できておりません。弊社では、製造委託先が16%補償のところ、15%規格補償にすることで対応しております。規格値で配合量を設定いただければ、理論値を下回る可能性は、極めて少ないです。ご安心ください。
2-2. ドリンク商品のプロテオグリカン
プロテオグリカンをドリンクに配合した場合、ほぼ定量限界を下回ってしまいます。現時点での定量限界は、1%程度です。また、ドリンクは、プロテオグリカンの分析を阻害する可能性が高い成分が多く含まれます。そのため、ドリンクでの定量分析は、不可能です。
同様なケースがサプリメント商材でも生じることがあります。ご注意ください。
なお、現在、定量限界を0.1~0.3%まで下げるべく、前処理の改良を行っております。
2-3. 機能性表示食品用プロテオグリカン
機能性表示食品を申請する場合、弊社が取り扱うリナイス社を分析をHPLC法で行っております。現時点での定量限界は、1%程度です。配合量にご注意くださいませ。