表示規制と強調表記成分の分析
近年、表示成分の分析が求められるケースが増えております。特に、Amazonでは、新規登録会社を中心に、米国基準に近い管理を求められ、商品名が入った分析結果の試験成績書を提出させられるケースも出てきております。
そのため、弊社でも、Amazonへの出品予定も、お問い合わせフォームに加えるようになりました。
▶ 販売後のAmazon対応 ▶ Amazonに対応した商品開発
今後、上記ページでも紹介している通り、商品名や表面のデザイン、栄養成分表示の外枠での表示など、強調表記を行っていくと、分析データを求められるケースが増えてくるでしょう。それは、Amazonに限定されません。
今後、広告表現における強調表記でも、メディアの自主基準で分析データを求められる可能性もございます。
そして、現在、強調表記する成分に関しては、増し仕込みした上で、試作品等で分析を実施いただいております。現時点では、ビタミンを除き、賞味期限内の下限値保証を目的とした管理(加速試験後の分析)まで行っておりません。
なお、弊社では、自社原料を中心に利用頻度の高い原料成分に関して、常に知見を積み重ねています。
随時更新していきますので、成分別に以下の情報(加工時の減衰など)をご活用くださいませ。
増し仕込み量に関しては、コストも加味して、設定しております。同時に合わせる成分によっても減衰量が異なってきますので、理論値より下回る場合は、増し仕込み量の見直しも必要になるので、ご注意くださいませ。
リンク:
ジオスゲニン レスベラトロール OPC 総ポリフェノール まめ鉄の鉄 非変性コラーゲン プロテオグリカン ルテイン 葉酸 有胞子性乳酸菌 殺菌乳酸菌 大豆イソフラボン ナットウキナーゼ NMN 5-デアザフラビン誘導体
※弊社原料以外の分析に関しては、原則OEM顧客のみへの対応です。
ジオスゲニン
ジオスゲニンは、ソフトカプセルに加工した場合、加工時に減衰する事例が確認されています。一方、カカオ色素などで内容物を着色した場合、減衰が確認されなかったという事例もございます。
ジオスゲニン遊離体として分析することを推奨しております。その場合、前処理の酸処理を行わずに、検体調整が必要になります。
なお、増し仕込み量は、加工では減衰しても、経時変化で減衰しにくいことから、分析誤差を加味して+10%以上を推奨しております。
レスベラトロール
基本的に、安定した成分であり、HPLC法で容易に分析が可能です。経時変化も少ないため、通常の増し仕込み量は、5~10%を推奨しております。
ただし、ブローやドリンク瓶に吸着する可能性があり、加工後、分析値が低く示される傾向が認められています。
なお、原則、レスベラトロール量は、トランス体を試薬として分析されています。そのため、分析機関の試験成績書にトランス体レスベラトロールと記載すること可能です。
OPC(オリゴメリックプロアントシアニジン)
OPCの分析は、米国薬局方での分析が可能です。ただし、弊社の承諾が必要となります。
通常、ほとんどのロットで、規格値より10%程度多く含有しているため、増し仕込みは不要です。
総ポリフェノール
総ポリフェノールは、分析方法と標準試薬の違いにより、分析値が異なってきます。
赤ワイン由来ポリフェノールの場合、タンニンを試薬としてフォーリンチオカルト法で分析することを推奨しております。
通常、ほとんどのロットで、規格値より10%程度多く含有しているため、増し仕込みは不要です。
まめ鉄の鉄
まめ鉄は、非常に軽い原料であるため、混合などの際に舞って損失してしまうことが確認されています。また、製剤に限らず原料でも分析値がばらつくことも確認されており、その点をご理解いただいた上で、分析を行っていただく必要があります。
なお、栄養機能食品の場合、上限の10mg/日を超えてはいけない管理がもとめられます。ご注意くださいませ。
※フェリチン鉄としての分析は、現在、カリフォルニア大学でしか実施ができません。また、消費者庁から、フェリチン鉄としての含有量ではなく、鉄としての含有量を表示するように指導を受けているため、米国に送ってのフェリチン鉄分析も全てお断りさせていただいております。ご理解の程、何卒よろしくお願い申し上げます。
非変性コラーゲン
コラーゲンは、コラーゲンペプチドと同様、自動アミノ酸分析機によるヒドロキシプロリンの分析によって行われます。
鮭鼻軟骨由来II型&XI型コラーゲンの非変性の定性に関しては、電気泳動法が用いられています。
なお、鮭鼻軟骨由来非変性II型&XI型コラーゲンの定量分析は、現在、鶏軟骨由来非変性IIコラーゲンと同様、ELISA法で実施できるよう研究開発を進めております。
また、増し仕込み量は、+10%以上を推奨しております。
注意:鮭鼻軟骨由来のコラーゲンは、ヒドロキシプロリンからの換算係数を一般財団法人 日本皮革研究所が推奨する12.63を使用しています。この換算係数によって、含有量も異なってきますので、ご注意くださいませ。
プロテオグリカン
プロテオグリカンは、HPLC法での実施が可能です。
ただし、変性して低分子になっているプロテオグリカンを除き、90~150万Daの非変性のアグリカンでの分析を実施する場合、株式会社リナイスの承諾を得て、分析を実施する必要があります。
なお、プロテオグリカンを分析する場合、80万Daくらいのヒアルロン酸など、分子量がプロテオグリカンと近い成分と組み合わされて配合されていた場合、分析ができないこともございます。
また、増し仕込み量は、+10%以上を推奨しております。
注意:定量限界は1~2%です。含有量が少ないと、定量分析ができないケースもござます。
ルテイン
ルテインは、他のカロテノイド同様、空気に触れると減衰しやすい成分です。
そのため、ソフトカプセル以外の剤型では、ビーズ原料やマイクロカプセル化された原料を使用する必要がございます。
最低+10%の増し仕込みを行うことを推奨しております。
※リコピンやβカロテン、アスタキサンチンでも、同様です。
葉酸
葉酸は、食品添加物の原料を用いると、配合量も少ないため、製剤の均一性の問題で、分析値が理論値通り検出されないことがございます。
特に、試作品では、混合等が不十分で、理論値通りに検出されない可能性が高くなります。
ご注意くださいませ。
また、増し仕込み量は、+10%以上を推奨しております。
なお、栄養成分表示内に記載される栄養素ですので、加速試験等を実施した上で、賞味期限内、許容差の範囲に収まるような管理が必要になります。
有胞子性乳酸菌
有胞子性乳酸菌は、加工方法や組み合わせる成分により、減衰することがわかっております。特に、アルコールを用いた攪拌造粒を行った場合、かなり減衰することがわかっております。
原料メーカーでは、200~300%での増し仕込み量を推奨しております。
原則、試作を行った上で、分析を実施し、その結果から増し仕込み量を決定されることをオススメいたしております。
殺菌乳酸菌
EC12などのような殺菌乳酸菌は、各原料メーカーでそれぞれの分析方法が指定されております。
ケースバイケースのため、別途OEM営業マンにご相談くださいませ。
大豆イソフラボン
日本では、アグリコンでの分析が主流です。配糖体の規格の原料の場合、6割程度の含有量になるので、注意が必要です。
輸入原料では、やや少なめに出る傾向も認められております。
弊社では、国産原料は+10%程度、輸入原料は+10~15%での増し仕込みを推奨しております。
ナットウキナーゼ
ナットウキナーゼの分析は、活性(酵素がはたらく力)を表す単位である「FU(フィブリン分解ユニット)」が用いられます。
活性が落ちる組み合わせ(ニンニク、ショウガなど)も存在するため、10%くらいの増し仕込みで試作・分析を行い、その結果から最終的な増し仕込み量を設定されることをオススメいたします。
NMN
近年は、厚生労働省登録機関での定量分析が可能です。分析データを広告クリエイティブに利用されるケースも多く、かつ分析誤差も生じやすくなる可能性がございますので、原則、増し仕込みを行われることをオススメしております。
推奨増し仕込み量は、5~10%です。
5-デアザフラビン誘導体
5-デアザフラビン誘導体は、弊社で保有している標準試薬を用いることで実施が可能です。原則、弊社が請け負ったOEM商品でのみ、定量分析を実施させていただいております。
推奨増し仕込み量は、5~10%です。