原材料の食薬区分
健康食品サプリメントのOEM事業では、顧客から使用したい成分や支給原料の要望が数多く届きます。特に海外案件では、医薬品成分を指定されるケースが多くございます。
その際、まず注意すべきは、原材料の食薬区分です。
基本的に、この食薬区分は、物の成分本質として、行政のホームページなどで公開されています。
この食薬区分を調べ、素材が医薬品成分に該当しないかの確認が必要になります。
海外で流通する成分であっても、使用したい成分が日本では医薬品成分であり、健康食品サプリメントに使用できない場合もございます。
なお、弊社では、国内メーカーの原料をご支給いただく場合、規格書や試験成績書(+調査書)をご提出いただいております。また、お客様が輸入してご支給いただく場合は、保証書ならびに各種調査書をご提出いただいております。
食薬区分の調べ方
まず、「専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)リスト」を調べ、医薬品リストの中に成分や素材が入っていないことを確認する必要があります。
そして、同時に「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質(原材料)リスト」も調べ、該当する成分や素材を探す必要があります。植物エキス素材の場合、類似種が多く存在するため、学名が一致している必要があります。センナやイタドリのように部位によって食薬区分が異なるケースもあるので、注意が必要です。
また、どちらのリストにも記載されていない成分や素材も多く存在します。その場合、都道府県を通じて厚生労働省に判断を求める必要があります。
PABA(パラアミノ安息香酸) TBHQ
PABAは、ビタミンB群の1つとして、米国のマルチビタミンに極当たり前のように配合されています。そして、TBHQは、酸化防止剤。魚油など油脂原料に用いられていますが、量が少なくてもキャリーオーバーにならず、用いられている油脂原料は輸入できません。
ちなみに、以下の2素材は、しらっと配合されていることが多い代表的な指定外添加物。
代表的な指定外添加物と見分け方
日本と米国の食品添加物基準の違いから、最も指定外添加物が配合されていることが多い商品群は、マルチミネラルです。
以下は、代表的なマルチミネラルの成分(Supplement Fact)です。
カルシウム(カルシウムアミノ酸キレート複合体として)
鉄(鉄アミノ酸キレート複合体として)
リン(リン酸カリウムとして)
ヨウ素(ヨウ化カリウム、昆布)
マグネシウム(マグネシウムアミノ酸キレート複合体として)
亜鉛(亜鉛アミノ酸キレート複合体として)
セレン(L-セレノメチオニンとして)
銅(銅アミノ酸キレート複合体として)
マンガン(マンガンアミノ酸キレート複合体として)
クロム(クロムポリニコチネート[ChromeMate]として)
モリブデン
カリウム(塩化カリウム、リン酸カリウムとして)
ホウ素(ホウ酸として)
バナジウム(バナジウムアミノ酸キレート複合体として)
キレート素材が多く利用され、ほぼほぼ日本では認可されていない添加物(指定外添加物)です。
そして、これらの簡単な見分け方は、「成分名 違反事例」で検索し、指定外添加物としての違反事例が出てくるか?です。
例えば、セレノメチオニンだと「セレノメチオニン 違反事例」で、しっかり違反事例が示されます。
製法のチェックポイント
成分や素材が非医薬品区分であっても、製法や起源原料の問題で非食品区分となり、健康食品サプリメントの原材料として利用できないケースもございます。
弊社のコンプライアンスにおいて、原料によっては、保証書ならびに各種調査書の他、ご支給原料の製造工程もチェックさせていただく場合がございます。
その点は、何卒ご理解くださいませ。
なお、ご支給されるケースが多いニコチンアミド・モノヌクレオチドに関しては、まず、正規輸入される原料かどうか?を確認させていただいております。ニコチンアミド・モノヌクレオチドの正規輸入は、製造者単位で輸入許可が行われております。弊社の知る限り、酵素合成法で製造された原料は、GRAS認証を受けた原料しか正規輸入された実績がないようです。
その他の注意点
食薬区分上、問題がなくても、工場で受け入れができない原料や輸入できない原料も存在します。
ご注意くださいませ。