ブーム商品のその後
タイトルの実情は、新規事業として健康食品サプリメントの事業に参入される方は、最も気になる情報の1つでしょう。
こういった実情は、意外に、OEM商品や原料を供給していると多くのことが見えてきます。特に、以下の3ブームに関しては、弊社も関連が深かったため、実情が的確につかめています。また、現在、盛り上がりつつあるヴィーガンサプリについても、まめ鉄というオーガニック認証取得原料を取り扱っている関係上、最新の状況を把握しております。
是非、過去の事例から最新の事例まで、参考にしていただけますと幸いです。
レスベラトロールブーム
弊社は、レスベラトロール原料のトップシェア原料メーカーとして、原料でも、OEMでも、深く関わっていたブームです。
ブームは、意外に長く続きましたが、体感が薄いという理由で衰退してしまいました。最も売れた時期の1/4以下にまで衰退した商品も数多く存在し、終売したレスベラトロールサプリも多く存在します。
残っているのは、ドラック系の高コスパ商品くらいです。
一方、その衰退は、レスベラトロールを主剤に使用していた商品であり、このレスベラトロールという素材(正確には赤ワインレスベラトロールという素材)は、副材の定番原料になりました。
現在、以下のような素材の副材として、数多く利用されています。
そうなるように、弊社が方向転換を行ったため、弊社原料だけが残る形になりました。さらに、特許戦略も地味に働き、弊社原料は、むしろシェアを伸ばしていると推測されます。
酵素ブーム
酵素の商品は、中国案件ブームと共に始まりました。
また、日本国内と中国の両方でブームが起こりました。
まず、中国では、一部の会社さんだけが勝ち残り、現在でも商品展開されています。そして、その販路開拓を足掛かりに、様々な健康食品サプリメントを中国に供給される基盤を作られました。
勝ち残った会社さんは、その後、かなり成長されました。
次に、国内では、意外に地味に売れ続けたのですが、そもそも痩せないという問題点があり、さらにその問題をテレビ番組でも取り上げられ、広告規制が厳しくなってきた途端、一気に衰退していきました。
現在、酵素だけの商品は、かなり減っており、衰退の一途をたどっています。
なお、この酵素ブームは、乳酸菌のような発酵系素材のブームの火付け役にもなっており、市場動向に大きな影響を与えました。
この乳酸菌など発酵系素材も、エビデンスがある素材だけが生き残りつつあります。
ニコチンアミド・モノヌクレオチドブーム
最も新しいブームニコチンアミド・モノヌクレオチドは、現在進行形ですが、あっという間に終息しそうな状況です。
特に、中国市場は、政府の内製化政策の一環で行われた登録制度導入や輸入規制強化により、一気に下火になりました。
そうは言えど、中国市場は非常に大きい(日本の約10倍)ため、まだまだボチボチと売れている状況も続いています。原料メーカーのOEMが独り勝ちしている状況もあります。
また、市場の変化として、2021年夏以降、中国語での原料支給案件が非常に増えています。
日本では、クリニック系が未だ好調な状況以外、安売り合戦が始めっています。
最も似た事例はコエンザイム10ブームであり、こういった安売り合戦の状況が起こると、後々、一部の勝ち残った会社さんだけの市場になってしまうでしょう。
ヴィーガン対応サプリメントブーム?
今、盛り上がっているヴィーガン対応サプリメントに関しては、今までのようなブームにはならないでしょう。
ヴィーガン市場は、ママや子供向けサプリニーズの強いオーガニックサプリ市場と同じく、商品選びに対して厳しくジャッチされます。偽物商品はあっという間に駆逐されてしまう傾向が強いため、こだわった高原価の商品でスタートしないと勝ち残れない現状があります。
また、市場としてかなり成長していますが、その情報(主に勝ち方の情報)が洩れていないため、競合商品ができず、特定の会社さんだけが着実に売り上げを伸ばしている現状もあります。
そのため、ヴィーガン対応のサプリメントは、ブームにならなくても、順調に成長しております。
ブーム品との付き合い方
こういったブーム品のその後を見ていくと、以下のようなことが見えてくると思われます。
今後も、新たなブーム品が現れてくるでしょう。その時は、上記のような最適なアプローチを行うべきでしょう。
一方、こういったブーム品は、長期間安定的な利益を得ることが難しい特徴があります。
必ずしも、ブーム品を狙うことが正解とは限りません。
仮にブーム品で新規顧客を得たとしても、長期の安定収益につながる商品戦略・販売戦略をしっかり行っておく必要があるのです。
こういったことは、ブーム品も追い続けた弊社だから言えることだと思います。
ちなみに、弊社も、ブーム品だけを追い続けた訳ではありません。上記のことをよく理解してるため、安定領域のOEM案件も多数手がけてきました。これが「弊社が成長し続けている理由」でもあるのです。