クロスセル商品戦略
通販事業において、クロスセル商品は、収益性を高めていくため、不可欠な商品戦略です。
一方、このクロスセル商品戦略は、非常に難しいです。多くの通販会社が失敗しております。
その失敗理由は、収益を増大させる勝ちモデルは複数存在し、窓口商品毎に適正モデルが異なるためです。
クロスセル商品の一番の特徴は、集客を目的とした広告費が不要なことです。
そのため、比較的安く売ることも可能です。
安く売っても、収益が出ます。
クロスセル商品の代表は、非常にお得感があり、同梱チラシを入れたりするだけで、自然に購入されるような商品です。
単品通販から複数商品通販へと移行される通販会社は、こういった置いておくだけで自然購入されるクロスセル商品を複数投入されます。
近年は、ルテインやギャバなど、低価格帯の機能性表示食品をお得感のある価格でラインアップすることも一手です。
クロスセル商品であれば、量販店の商品にも勝つことが可能です。クロスセル商品は、窓口商品のように量販店等で購入できないといった要素は必要ありません。
損して徳取れ作戦
この戦略の究極は、クロスセル商品によって満足度が高められることです。
そして、満足度が高まることで、窓口商品の定期購入維持(→LTVアップ)につながってきます。
クロスセル戦略によるものでなくても、顧客満足度が高まり、離脱率が10%下がった場合、得られる収益性は、かなり大きなものになります。
得られた収益によって、より多額の広告予算を転じることが可能になり、勝ちサイクルが生まれてくるのです。
その代表例は、サービス特価品のクロスセル商品などの販売です。
定期コースの継続率を高めるためだけの商品です。
顧客満足度向上からの定期離脱防止戦略は、高収益モデルに転じるための秘策です。そして、実は、ほとんどの通販勝ち組の会社が持っているノウハウでもあるのです。
休眠顧客の掘り起こし作戦
最後の休眠顧客掘り起し型クロスセル商品に関しては、最も重要なクロスセル商品と言っても過言ではありません。
基本的に、窓口商品の離脱理由の分析から始まります!
そして、その理由に対するアプローチ方法に絡めた商品開発として休眠顧客の掘り起こしが行われる必要があります。
例えば、顆粒商品やゼリー商品など、味の問題や飽きの問題で離脱するような剤型の場合、錠剤やカプセルの商品で休眠顧客の掘り起こしを行うことが常とう手段です。
また、金銭的な継続が問題となっていた場合、廉価版の商品を作ってアプローチすることが得策です。さらに、体感の部分で離脱した顧客に対して、もし窓口商品が機能性表示食品でなかったなら、機能性表示食品の商品でアプローチすることも可能です。
掘り起しの方法に関しては、いろいろな方法が存在します。
なお、この休眠顧客の掘り起こしは、時間の経過とともに、成功率が低下します。
3年以内のアプローチが理想ですが、10年後のアプローチでも低い成功率ながらも、掘り起こしが成功した事例もございます。
一方、近年は、アプローチ方法がアウトバウンドからメール等に変化したことで、その有効期間も短くなっていると推測され、注意が必要です。
余談:関節ケアサプリで大成功した通販会社勝ち組の例
通販勝ち組の会社さんの多くは、休眠顧客の掘り起こしを重要視しています。
その中でも、関節ケアサプリで大成功した某通販会社さんは、休眠顧客の掘り起こしを最重要視しました。
ここの会社さんのモットーは、顧客リストは擦り切れるまで活用するでした。
本人死亡の顧客リストからも、アウトバウンドで休眠顧客の掘り起こしを行い、結果を出し続けていらっしゃいました。
本当にご本人が他界されていても、その配偶者にご購入いただくケースもあったようです。
この会社さんは、休眠顧客の掘り起こし用のクロスセル商品まで作っておられませんでしたが、もし作って掘り起こしを実施されていたら、もっと大きな収益を上げられていたでしょう。
スイッチセル商品
目的達成によって使用の必要性が無くなった後のクロスセル商品として、スイッチセル商品という商品も存在します。
その代表例は、妊活サプリの後のスイッチセル商品です。
妊活サプリは、妊娠という目的を達成した途端、不要になります。一方、妊娠期は、鉄の必要量が倍になるため、鉄サプリのニーズが一気に高まります。
そういったタイミングで、スイッチセルとして鉄サプリメントを投入する戦略は、収益性を継続的なものにしていくために不可欠な戦略です。
そういった妊婦向けの鉄サプリメントには、オーガニック認証を取得していて安心感の高い鉄素材:まめ鉄が人気です。
どのような方法でアプローチする?
クロスセル商品のもう一つの大きな特徴は、顧客に直接アプローチできることです。
クロスセルは、DMやメルマガがポピュラーなアプローチ手法で、シニア向けの商材だと、アウトバウンド(電話)によるアプローチも可能になります。
(40代より若い層では、基本、アウトバウンドは有効ではございません。)
ちなみに、アウトバウンドで販売するクロスセル商品も、求められる要素が異なります。過去事例を見ると、医師や大学など、何らかの権威のクリエイティブが有効に働きやすい商品が成功しております。
なお、最もアプローチしやすい手法は、発送時のチラシ同梱です。どなたでもチャレンジいただけます。
同梱ツール等のすすめ
インターネット販売の通販会社さまの多くは、商品への同梱ツール等も活用されておられません。当然、クロスセルを試みる会社様も少ないです。
実際、同梱ツールは、先述のように、リピート率やLTVを高めたり、収益性を高めたりすることが可能です。
それを行わないことは、非常に勿体ないことです。
こういったツールの活用は、通販事業において、勝ちモデルの不変セオリーと言っても過言ではございません。
数多くの勝ち組通販会社が利用しているツールです。
クロスセル商品投入によって、その同梱ツールの必要性も高まります。
同梱ツールを利用されていない通販会社様は、是非、利用を検討いただければと思います。