ニーズ vs 思い込み & 取捨選択

このOEM事業を行っていると、どうしても販売者さんが決め切れず、上市がだらだら伸びてしまうケースが出てきます。

一番多いのは、サイズと香りです。

試作を行った後に、なかなかの決まらないことがあります。時には、試作を何度も繰り返される顧客も存在します。
そのため、以下のようなFAQも用意されています。

サイズが想像より大きかった時の対応
サプリメントの味や香りへの対応

実際、サイズや香りの問題は、販売者さんの思い込みが原因であることが多いです。

サイズについて、消費者は、粒が大きいのが飲めないという方もいれば、粒数を多いのが嫌という方もいます。両方の意見が出た場合、通常、粒数のサイズを小さくして、粒数を増やす選択がなされることがほとんどでしょう。

※粒数を増やした場合、錠剤は重量が同じであればコストアップしません。カプセルはコストアップします。

6粒以下の場合、粒数が多いというのは、極一部の顧客のわがままであって、優先度が下がります。
一方、サイズが大きいと物理的に飲めないというケースには、なるべく避ける必要があり、粒数より優先度が高いです。

仮に、販売者さんが粒数を選んでサイズを大きくした場合、もろにリピート率やLTVに影響が出てくるでしょう。
反対に、6粒以下で小粒にした方が、むしろリピート率やLTVが上がるでしょう。

弊社の経験則では、錠剤は250mg以下、ハードカプセルは2号カプセル以下、ソフトカプセルはオーバル6以下のサイズだと、日本人の大多数の方が気にならないと判断でしょう。

香りについては、いずれかの原料に起因するのですが、通常、余程香りが強くない限り、大きな問題になりません。
また、香りの種類でも問題になる率が異なり、ビタミン臭や植物素材の香りは問題になりにくく、ニンニクや動物素材、酵母の香りは問題になりやすい傾向があります。もちろん、香りの強さは、量にも依存します。

なお、試作品を入れた袋の状態で香りの評価をされることがございます。それは、大きな間違えであり、香りの評価は、1日あたりの摂取量を手に取って行い、実際に摂取してみて評価すべきなのです。

これは、チュアブル錠やドリンク・ゼリーでない限り、風味についても同様であり、実際に摂取してみて気になるかどうかを判断すべきなのです。

香りや風味については、個人差があるので、複数人によるアンケート等で判断するのも一手なのですが、形式ばったアンケート等だと過剰に反応されやすいので、決裁者や担当者の主観で判断すべきだと思います。

実際問題、決め切れず、上市がだらだら伸びてしまうケースは、アンケートやモニターなど複数人で決めていることが多いです。

稀に、この香りや風味を改善する目的で、糖衣錠にされる販売者さんもいらっしゃいますが、サイズが大きくなる・食品添加物が多くなる・コストアップする等のデメリットも多いため、総合的な判断が求められます。
商品開発において、サイズ、香り、風味などを設定は、メリット・デメリットを見比べて判断する必要もあるのです。

健康食品サプリメントは、天産物を粗原料とすることが多く、医薬品に比べて摂取量も多くなりがちです。なかなか完ぺきなものはございません。
必ず、取捨選択が必要になっていくでしょう。

なお、上記のような点で、あまりにも商品開発に時間をかけ過ぎると、機会損失にもつながります。一度上市し、定期購入の解約理由にされることが多いようであれば、リニューアルを行うのも一手です。


記事筆者

株式会社アンチエイジング・プロ 常務取締役 COO
SloIron Inc. 取締役(Stockholder)、順天堂大学医学部 総合診療科 研究員

広告にも精通し、日々、売れる商品(;顧客の成功)のことを考え、健康食品サプリメントの機能性原料開発やOME製造を行っています。…もっと詳しく