サプリメントの味や香りへの対応
サプリメントの中でも、コーティングが行われていない錠剤(素錠)や顆粒の商品は、特に天産物の原料を使用している関係上、どうしても風味(味や香り)が生じます。添加物でも独特な風味を持つものも存在し、風味の強弱はあれど、ゼロにすることはできません。
一方、その風味に対して、消費者からクレームが来ることもございます。
クレームを生じやすい素材:
ニンニク、プラセンタエキス末、バレリアン抽出物、フェヌグリーク(コロハ)、酵母原料(グルタチオンやSAMe、ミネラル酵母など)など
その風味に対する対応は、以下のような文面をランディングページや同梱物、場合によっては商品パッケージにも示し、的確に対応する必要があります。
※パッケージに表記する場合、天産物由来素材による色目の変化と共に、後半部分だけで記載するの一般的です。
この風味に関するクレームは、ただクレームを付けたいだけの例や返品目的のクレームの例なども含まれます。
したがって、販売者は、これらのクレームとの線引きを行い、的確に対応していただく必要があるのです。
通常、サプリメントは一般食品と異なり美味しさを追求するものではないため、風味に対する規格や保証は存在しません。
それは、製造者から販売者に対してだけではなく、販売者から消費者に対しても、同様な位置付けなのです。
そのため、糖衣錠などのコーティングが行われるケースもございます。
風味のクレームが無くなるというメリット共に、無駄な添加物を使用してしまい、ナチュラルイメージが損なわれる/目減りするというデメリットも生じてしまいます。
※セラック・HPMC・トウモロコシたん白は何れかの内の1つです。
そのメリット・デメリットを加味して、加工方法を加味する必要があるのです。
弊社では、必ず加工賃がコストアップしますので、メリットよりデメリットの方が多いと判断し、原則、コーティング等を推奨しておりません。
また、風味の中でも香りについては、香りの強い素材でマスキングするという方法もございます。例えば、焙煎玄米粉や生姜末などを基材に用いることもございます。弊社では、コーティングより香り素材でのマスキングの方をオススメしております。
風味に対する経時変化
この風味は、時間の経過と共に、変化することがあります。また、開封後は担保責任から外れるのですが、吸湿性高い素材や酸化に弱い素材の場合、開封して吸湿することで経時変化が一気に進むことがあります。
この変化等に関してもかなり注意される場合、以下のような経時変化検証を行う必要があります。
そのため、以下のような試験を行い、経時変化を検証する必要もございます。
1. 簡易加速試験(開封状態で2~4週間程度放置)
2. 加速試験(温度40℃・湿度75%の条件で商品として6~8ヶ月保管)
3. 成り行き保管(未開封状態で2年以上常温放置)
1の簡易加速試験を実施する会社も増えております。弊社でも、机の上に放置しておくという非常に簡易な方法でで簡易加速試験を実施していることが多いです。色目の変化だけでも、簡易的に知ることが可能です。
何れにしても、風味は、官能的なものであり、数値化されにくいものです。人によっても感じ方が異なり、必ず個人差が生じます。また、さらに細かい保存条件の違いによっても、変わってきます。
そういった項目をどこまで検証し、どの程度の評価で商品化するかは、販売者様に決定していただく必要があります。