製造所固有記号を悪用したコピー商品製造

近年、製造所固有記号制度の猶予期間を終え、完全に制度が施行し始めたことにより、製造所固有記号と販売者情報より、容易に商品の製造所(受託加工会社)を特定することができるようになりました。

その製造所固有記号制度が完全施行され始めたことにより、コピー商品の製造依頼が工場(製造者)に多く届くようになりました。
実際、弊社は、グループ会社の工場を用いているため、グループ会社へのコピー商品製造依頼が届くこともございます。

また、珍しいケースとして、まめ鉄/大豆由来フェリチン鉄に関しては、弊社がOEM製造の8割以上を受託している関係上、弊社にコピー商品製造依頼が多く届きます。

通常、大手企業であれば、秘密保持契約などが締結されており、細かい商品設計の指示がない限り、顧客の商品設計情報を利用してコピー商品を製造することができないようになっております。
一方、あまり秘密保持契約を交わすことがない中小企業の場合、製造所のモラルによって、対応が異なってきます。

ちなみに、この制度では、企画会社は、製造所を開示せざる終えなくなりました。そのため、モラルのない販売者が製造所へ直接製造依頼を行うケースも生じてきています。
実際、企画会社を飛び越えて製造される商品も出てきているようです。また、その動きを意図的に誘導している受託加工会社も出てきております。

何れにしても、どんなケースであれ、既存顧客のコピー商品を製造してしまった場合、製造所固有記号からコピー商品を製造したことが顧客にわかってしまうでしょう。
相手方からの細かい商品設計の指示があっても、顧客からコピー商品を製造したと捉えられ、信頼喪失から案件も喪失してしまう可能性が高いです。
しかし、顧客からの依頼であれば、従わざる負えないというケースもあり、非常に難しい判断が問われます。

弊社の対応方針

弊社には、後述の通り、製造所固有記号からコピー商品製造依頼が届くことはございません。
一方、まめ鉄に関しては、どうしても弊社OEM比率が高いことから、コピー商品製造依頼が届いてしまいます。

原則、我々は、丸々のコピーは、避けるようにいたします。
弊社の指針として、全く同じ商品設計はNGであり、商品設計の2~3割を変えるというルールで運用しております。

なお、顧客との関係性によっては、案件を断ることも少なくありません。

弊社のOEM体制と商品設計情報管理体制

弊社グループのGMP工場は、包装工場であり、製剤加工は行っておりません。

弊社のOEMでは、弊社が賦形剤以外の原料の調達を行い、協力会社の製剤化工場に原料支給してバルク製剤を製造しております。
そして、そのバルク製剤を包装工場である弊社グループ会社に支給して、商品化を行っております。

弊社は、表示責任者として表示に対する責任を負うと同時に、商品の品質担保責任等を追っております。
一方、弊社の存在は、公開されることはございません。
この体制は、商品設計の情報管理上、コピー商品が作りにくい体制と言えるでしょう。

製剤化工場は、商品設計情報を漏らすことは、まずありえません。
また、製剤化工場は、製造所固有記号で表示されることが無いため、機能性表示食品を除き、特定されることがございません。

なお、弊社が表示責任者として表示を作成しているため、グループ会社へも商品設計情報が完全に共有されない環境で製造が行われています。

ちなみに、製剤化は委託先で行い、最終包装を内製化して自社で行うという上場企業が現れ始めています。
商品設計情報の管理上、製剤化と最終包装は、分けた方が好ましいことを表しているのでしょう。