ヴィーガン向け健康食品サプリメント製造

近年、ヴィーガンスイーツなどの盛り上がりと共に、ヴィーガン向け健康食品サプリメントのニーズが高まっており、市場規模が拡大しております。
また同時に、プラントベースフードという植物由来食品のニーズも高まっており、ヴィーガンニーズを押し上げています。
今後、流行に敏感な若い女性の間で、一気に拡大する可能性も秘めています。

そして、このヴィーガン向け健康食品サプリメントには、利用できない動物系素材が存在します。最も制限が厳しいヴィーガンに限らず、基本、ベジタリアンが利用できない素材を以下のように示してみました。

ヴィーガンを始めとしてベジタリアンが利用できない素材

 ・ヘム鉄・・・牛・豚の血液から抽出して製造
 ・ビタミンD3・・・羊毛脂から抽出したコレステロールをもとに合成
 ・乳酸菌・ビフィズス菌(乳糖を含む原料)
 ・ホエイプロテイン
 ・豚・馬由来プラセンタエキス
 ・鶏由来プラズマローゲン

その他、ニッチな素材として、豚睾丸エキス、ウミヘビ末、馬心臓粉末など、強壮系の商品に利用される動物系素材は利用できません。

意外に、問題になるのは、女性向けサプリに利用されるヘム鉄です。由来が知られていないことが多いためです。
また、ヘム鉄の場合、イスラム圏(Halal、豚×)やヒンドゥー教(牛×)などの食制限にも引っかかってきます。
代替素材として、クエン酸鉄やピロリン酸鉄を利用すれば良いのですが、副作用の関係から敬遠されやすいです。特に、食品添加物を嫌うケミカルフリーを求める方や化学物質過敏症の方から敬遠されます。

また、近年、ビタミンDが免疫強化の観点から、米国に限らず日本でも増えてきています。
ここ最近、ヴィーガンは厳密には合成のビタミンD(;ビタミンD3)を利用できないことが問題になり始めています。

乳酸菌やビフィズスの中には、乳糖(乳由来の糖)が培養基材として利用されているものが多く存在します。海外では、ヴィーガンプロバイオティクス(Vegan Probiotics)というカテゴリーの商品群が存在し、流通しています。例えば、乳酸菌の場合、基材に動物由来の原料を使っていない植物性乳酸菌であれば、利用可能だと思われます。

なお、ベジタリアンには、制限の違いがあり、一部のベジタリアンは、利用可能な素材が存在します。

ペスコベジタリアン(植物性食品と魚・卵・乳製品は食べる)が利用可能な素材

 ・ホエイプロテイン
 ・フィッシュコラーゲン
 ・サケ鼻軟骨由来プロテオグリカン
 ・魚由来エラスチン
 ・各種乳酸菌・ビフィズス菌(乳糖を含む原料)

このペスコ・ベジタリアンは、インドの富裕者層に多いです。
実は、日本人も、江戸時代以前は、ほぼペスコ・ベジタリアンのような食生活をしておりました。現在でも、日本には、精進料理という食文化が残っており、多くの海外ベジタリアンから支持されています。

原則、ヴィーガンが利用できないため、非常に限定されたニーズですが、こういった素材も存在します。

ヴィーガン認証取得

一部のヴィーガン認証機関では、動物試験が実施されている原料の使用がNGとされ始めているため、認証を取得できないケースが生じてきています。

機能性食品原料として、まめ鉄は、動物による安全性試験も高いレベルで実施されております。このような動物試験は、日本の機能性食品原料のコンプライアンス上、必須です。ご理解の程、何卒よろしくお願い申し上げます。

カプセル被膜について

ヴィーガン向けサプリメントで最も利用されるのは、HPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)のハードカプセルです。プルラン(でんぷん由来)のカプセルも利用されますが、物性の優秀さや包材適正(チャック付きアルミ袋△)からHPMCの方が採用されやすいです。

また、稀にソフトカプセルでの要望も届きますが、植物性のソフトカプセルは、最小ロットが30万カプセルからと、弊社の豚ゼラチンソフトカプセルの最小ロットの3倍のロットからとなってしまいます。その点については、ご注意くださいませ。

なお、顆粒や錠剤(主に素錠)での加工も可能です。弊社では、ヴィーガン対応の商品に限らず、食品添加物不使用などの条件で製造された商品も供給させていただいております。

ヴィーガンのナチュラル志向

ヴィーガンの方々の多くは、同時にナチュラル志向の方が多いです。ナチュラル志向の追及で、ヴィーガンになられる方が多いことが理由です。

ナチュラル志向でも、出来る限りオーガニック素材を選択する方が多いのも特徴です。

そのため、ヴィーガン向け健康食品サプリメントでは、化学品を避ける必要があります。
食品添加物を利用する場合は、貝カルシウム・サンゴカルシウム・藻類カロテン・トマトリコピン・ナタネ硬化油など、抽出工程だけで合成工程のない天然系の食品添加物を選ぶ必要があります。
マカ、キヌア、ゴジベリーやスピルリナなどのスーパーフードとも相性が良いでしょうね・・・。

なお、究極のナチュラル志向の方々の中は、抽出物もオーガニック素材に限定していたり、抽出すら認めないという方々もいらっしゃいます。
追求すればするほど商品幅は狭まります。どこまでナチュラル志向を追求するかは、メインとするターゲット層を加味して決定することをオススメいたします。

その他、ヴィーガン商品では、非動物性以外にも、以下のような条件も求められることが多いです。

【良く求められる条件】
 ・化学合成品不使用(石油由来原料不使用)
 ・動物由来二次原料不使用
 ・白糖や黒糖由来の原料不使用
 ・ろ材に骨炭やキトサンなど動物系原料不使用
 ・アニマルテスト原料不使用
 ・動物系素材を取り扱う工場での製造不可 など



ヴィーガンサプリメント案件を進める場合、これらの条件も必ず固めていただければと思います。
すべてを満たす商品は、鉄を始めとしてかなり限定された商品しか商品化できないでしょう。条件をお伝えいただければ、お客様が求められる条件に合致した商品を製造できるか?を弊社でジャッチして、ご回答させていただきます。


ヘム鉄の代替素材として、クエン酸鉄やピロリン酸鉄を挙げましたが、そもそも、この様な化学品は、ヴィーガンの方々の嗜好に合わないのです。
実は、鉄素材だと大豆由来フェリチン鉄などに限定されてしまうのです。

是非、ヴィーガン向けの健康食品サプリメントを製造される場合、本ページの情報をご活用いただければ幸いです。

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ヴィーガンが欠乏しやすい栄養素

ヴィーガンが欠乏しやすい栄養素として、以下のような栄養素があります。肉や魚に多く含まれる栄養素が中心に欠乏しやすいです。

 ・たんぱく質
 ・カルシウム
 ・鉄分
 ・亜鉛
 ・ビタミンB12
 ・オメガ3脂肪酸



近年、たんぱく質は、大豆・エンドウ豆・キヌア・玄米由来のプロテイン商品が流通しているため、ナチュラル志向な植物プロテイン商品を活用すれば、比較的補いやすくなってきております。
海外では、ヴィーガン向けのプロテインの場合、人工甘味料フリーが必須で、オーガニック認証を取得した商品も多く出回っています。
※現在、一部の大豆プロテイン原料で、供給制限が行われております。ご注意ください。

カルシウムは、乳カルシウムや卵殻カルシウムを避ければ、サプリメントで補うことが可能です。海外では、サンゴカルシウム(化石化したサンゴ)などがベジタリアン用のカルシウムサプリメントして人気です。

は、先述の通り、添加物のクエン酸鉄やピロリン酸鉄を利用することも可能ですが、ヴィーガンの方々の志向性を加味すると、オーガニック大豆由来フェリチン鉄がオススメです。

亜鉛は、海外ではキレート亜鉛(日本では指定外添加物)が用いられることもありますが、亜鉛が強化された酵母(亜鉛含有酵母)を用いるのがオススメです。

ビタミンB12は、唯一、なかなか食品添加物以外で補うことが困難です。
一方、食品添加物の原料は、微生物と糖蜜から発酵生産で製造されているため、食品添加物を利用されるケースが多々あります。

オメガ3脂肪酸は、亜麻仁油などに多く含まれるα-リノレン酸として補われることが多いです。ソフトカプセル加工を行う場合、植物性の被膜を選択する必要があります。ナチュラル志向の強い方々は、加工されていない油をスプーンで直接召し上がるケースが多いです。

ちなみに、ビタミンDは、日光を浴びることで体内で合成されるため、適度に日光浴を行えば、不足することはございません。一方、米国で摂取されるような1000-5000IUといった免疫賦活目的で利用される場合、ビタミンD2(マッシュルーム由来)のサプリメントで摂取する必要があります。

ヴィーガン向けの商品を製造される場合、上記の情報をベースに、各栄養素の配合量を検討いただければ幸いです。

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受託製造フローFAQ(よくある質問)

ヴィーガンとSDGs

海外では、植物プロテインをベースに不足しやすい栄養素を強化した商品が人気です。特に、アメリカでは、大きな市場が存在します。それは、アメリカでは、日本で約1~2%と言われているヴィーガンの割合が6%と多いためです。そして、このヴィーガン人口は、今までも増え続けています。

当然、サプリメント市場が日本の5倍ともいわれるアメリカでは、多くのヴィーガン向けサプリメントが流通するのです。

出典:ビーガン人口が6倍に増加?ベジタリアンなどの世界菜食トレンド推移(Tokyo Vegan)

このヴィーガン増える背景には、最近よく耳にするSDGs(主に飢餓問題や環境配慮の部分)が大きく関係します。

食肉を得るためには、多くの穀物が必要となります。
1kgの食肉を得るため、牛肉で11kg、豚肉で7kg、鶏肉で4kgもの穀物が必要と農林水産省のホームページで紹介されてます。

肉食生活は、陰で実は多くの穀物が消費されているのです。また、一時、家畜牛のゲップが地球温暖化の一因になっているとも騒がれたように、実は、環境にも負荷がかかってしまうのです。


この穀物を飢餓に苦しむ貧困国に回すことで、飢餓は解決されるという意見も多く存在します。ヴィーガンな生活は、エコであり、飢餓をなくすると考える人も少なくないのです。

実は、ヴィーガンとSDGsは、とても密接な関係になるのです。

そういった考え方がアメリカ(北米)の若者や富裕層で支持され、アメリカでヴィーガンが増えてる背景となっているのです。
また、近年、環境先進国でもあるドイツでも、若者を中心に、ヴィーガン料理が流行しており、ヨーロッパ全域でもヴィーガンニーズが高まりつつあります。2021年7月にロンドンでオープンした丸亀製麺もヴィーガンカレーうどんを提供するなど、様々な企業がヴィーガン対応を始めています。

そのため、2020年10月に発売されたフェリチン鉄サプリメント:Ferritin+(Flora Health社)などが吸収の良い植物鉄として北米で爆発的な売れ行きを見せています。
また、ヴィーガンが欠乏しやすい栄養素の「たんぱく質」でも紹介したような植物プロテイン商品も人気急上昇です。

ちなみに、弊社も、SDGsを支援している企業です。

A2ProのSDGs

環境に配慮した起業運営を行っております。

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記事筆者

株式会社アンチエイジング・プロ 常務取締役 COO
SloIron Inc. 取締役(Stockholder)、順天堂大学医学部 総合診療科 研究員

広告にも精通し、日々、売れる商品(;顧客の成功)のことを考え、健康食品サプリメントの機能性原料開発やOME製造を行っています。…もっと詳しく