失敗しないサプリメントの作り方

ここでは、初めてサプリメントを作られる方向けに、どのようなことを決めていくかのフローを紹介しております。

1. 商品設計概要

まず、どんな商品を作りたいかをまとめていきましょう!
弊社の場合、8割以上のお客様は、概要が固まっておりません。ざっくり以下の通りに考えをまとめながら、細かい点を詰めていくことで概要をまとめていきます。

商品の位置付け
・売り込みたい要素
 例:美容、関節、アイケアなど
  ↓
・使用したい原料 例:美容→コラーゲン、プロテオグリカン
 参考:弊社の原料検索ページ
  ↓
・希望の剤形 例:錠剤、カプセル、ゼリー、ドリンクなど → 弊社の対応剤形と最小ロット
  ↓
・包装仕様 例:アルミ袋、プラボトル、規格瓶など
・イメージしている競合商品
 できれば、ここまでしっかりまとめましょう!

※最初にOEM製造する商品の位置付けは、必然的に【窓口商品】となります。

単に、商品を作りたいだけの方は、これだけで十分でしょう。
どんな商品でも、形にすることはできるでしょう。
実は、弊社のOEM問い合わせフォームを活用すれば、勝手に出来上がってしまいます。

さらに、弊社では、詳細なインタビューを行わせていただき、お客様が作りたい・お客様が作るべき商品の製造に向かっていくべく、経験豊富なスタッフ達が情報をお聞きさせていただきます。そして、フローに沿って、商品化を進めさせていただいております。

なお、こういった商品設計を行う場合、各剤形の最小ロットと適正を加味しなければなりません。
これらは、弊社のように公開している会社さんもあれば、最後の最後に大きなロットを求められて困ってしまうこともあるので、最小ロットは、早い段階で確認しておいた方が良いでしょう。

剤形特徴ならびに最小ロット

企画倒れになるよくあるケースとして、スティックゼリー・ドリンクのコストが高かったというもの。梱包コストも高いです。送料の問題もあったり、賞味期限も1年以上つけてくれない会社もあるので、難易度が高めの剤形でもあります。

ここまでは、営業マンのサポート力の優劣が当然ありますが、どこのOEM会社でも行ってくれるサービスです。弊社は、お客様の作りたい商品を単に作るだけではありません。

弊社は、お客様が失敗しないようなサポートも同時に行っていくOEM会社です。

2. 売れるクリエイティブ探求と設計見直し

お客様が失敗しないため、次にお客様に行っていくことは、1の商品設計概要から売るためのクリエイティブを想定してもらいます。完璧にクリエイティブを細かく作り上げるのではなく、ポイントと概要だけまとめれば良いです。
その際、参考にしなければならないのは、競合商品です。

実は、商品設を作っていくにあたり、一番重要なのは、ここでの競合分析だったりします。

どんなクリエイティブ表現が購入へと至らされているかをしっかり分析する必要があります。
そして、その勝っている要素を自分の商品に組み込んでいく必要があるのです。

なお、競合分析というより、単に競合商品のコピー商品を作れば売れると勘違いされるケースがあります。
コピー商品は、キャッチコピーやクリエイティブのレスがすでに落ち始めており、過去にレスが取れた商品ほどレスが取れないのです。フックになっている要素は取り入れつつ、ウィークポイントと攻めて差別化する必要があるのです。

そして、その商品クリエイティブを考えていく際、以下の3つを意識しなければなりません。特に、通販向けの商品の場合。

・量のクリエイティブ
配合した素材の数などを用いて強調表現する手法
・数のクリエイティブ
配合した素材の量などを用いて強調表現する手法
表現の仕方で「直接法」と「間接法」に分類することができる
・質(権威)のクリエイティブ
用いた素材の質の良さ(特許や大学の権威)をアピールした表現手法


基本、何れかのクリエイティブ要素を1~3つ入れる必要があります。

また、左図(3点設計)のように、配合する素材の役割を3つに分けて、クリエイティブを想定しながら商品設計を行うこともオススメです。その際、例えば数のクリエィティブをお得感の役割に据えるなど、上記の要素も同時に組み込んでいくと、より精度の高い商品設計に仕上げることが可能になります。

もちろん、薬機法など関連法規まで加味したクリエイティブが作れるのがプロ。
さらに、一流は、パッケージ、折込チラシ、ランディングページ、各種広告クリエイティブなど、それぞれで薬事レベルを変えた表現まで的確に行う。※あくまで弊社はアドバイスや情報提供までであり、表現を作るのはお客様です。
ちなみに、弊社が主に担当するパッケージ関係の薬事レベルが最も厳しい部分になります。

なお、レスポンスが期待できるクリエイティブでも、必ずしも可能な訳ではありません。ニーズは高いですが、表現できないクリエイティブや商品設計次第では表現可能なクリエイティブなどを存在します。
以下のページでは、そういったクリエイティブを具体的に紹介しております。

ニーズが高いクリエイティブNG表現例

一方、近年、無添加のガイドラインが示されるなど、常に、広告規制は変化しています。基本、広告規制は、強化される一方であり、緩められることはありません。
特に、2021年8月から施行された改正薬機法志向の影響は大きく、各メディアの広告考査(審査)も格段に厳しくなっており、なかなか広告が出稿できない商材群(例:ダイエット食品)も生じ始めております。
そして、2022年冬、更なる広告規制強化が予定されており、商品開発の現場にも影響が生じ始めています。詳細は、以下の記事をご参照ください。

更なる広告規制強化で起こること:栗山ブログ(外部サイト)

なお、弊社の自社原料に関しては、レスポンスを演出するようなクリエイティブ研究もなされておりますので、弊社の自社原料を用いた商品設計を提案させていただく場合、クリエイティブ面もご提案させていいただくことが多いです。それも、弊社の強みだったりもします。
量や質のクリエイティブの演出が得意分野であり、多くの会社様にご活用いただいております。

一方で、現在、クリエイティブに偏り過ぎないようにも注意して提案を行っております。

エビデンス vs クリエイティブ

市場動向に合わせて、提案内容も変化させていています。

ここまでは、弊社が日常的に行ってきているサポートです。
一方、さらに、お客様は、マーケティングプランを絡めて、商品設計を固めていく必要があります。ここからは、お客様のミッションです!
弊社は、情報提供とアドバイスまで。
あとは、以下のページや3以降のコンテンツをご参照くださいませ。

商品開発と共にLPを作り込む方法

A2Proホワイトペーパー


弊社OEM事業のホワイトペーパー「成熟期の健康食品通販における販売重視型商品開発」です。弊社のOEMを説明した資料です。
1と2の内容がより詳しくプレゼン形式で説明されております。
是非、ご活用くださいませ。
PDFでダウンロード

健康食品、サプリメント、美容ドリンク、ゼリーのOEMのお問い合わせはこちら
受託製造フローFAQ(よくある質問)

健康食品サプリメント通販で単品通販が強い理由

健康食品サプリメントは、化粧品と異なり、単品通販から始めたビジネスの方が圧倒的に成功しています。
また、健康食品サプリメントの単品通販では、主に単味処方ではなく、複合処方の方が多いのが特徴です。

その理由は、なるべく1つの商品で全てを済ませたい!という志向(消費者マインド)が働きやすいためです。化粧品単品通販でも、オールインワンジェルが一世風靡した理由も、ここにあります。

通信販売における利益獲得モデルの本質は、如何にリピートさせて、LTVを高めるかにあります。
それをいきなり多品目で勝負した場合、焦点がボケ、どうしてもLTVの高い商品を生み出しにくくなってしまいます。

特に、化粧品でも多品目展開するのであれば、健康食品サプリメントは、オールインワン商品の単品で勝負した方が良いです。
このオールインワン商品にブランドや会社のコンセプトを詰めむべきです。

そして、そのオールインワンの窓口商品を中心に、何らかの悩みケアに特化したわかりやすいクロスセル商品を増やしていくことが理想です。

なお、窓口商品にダイエット商品を用いることは、絶対にオススメしません。
理由は、ダイエット商材は、成功しても失敗しても、必ず購入が購入されなくなり、長期的なリピート購入にはつながりにくく、収益性があまり高くないためです。

3. マーケティングプランと原価率設定

どんなに良い商品を作っても、マーケティングプランや原価率設定が悪ければ、必ず失敗します。

ここからは、失敗しないサプリメントの作り方になってきます。
失敗しないためには、以下を的確に設定する必要があります。

・販売方法
・販売価格
・原価率設定
※商品の見積り後、1の商品設計を見直すケースも多々生じてきます。


弊社の営業マンもアドバイスいたしますが、最終的には、しっかりとマーケティング分析を行い、上記を設定しなければなりません。
この設定は、一度で決まるとは限らず、時には、商品設計を見直す必要性すら生じます。

そもそも、原価率は、商品のライフサイクルで適正な原価率が異なってきます。
例えば、ビルベリーやルテインなど成熟期の素材が主である商品は、市場に多くの商品が出回っており、価格競争も激しく原価率40%以上の商品が多く存在します。また、ビタミン・ミネラルなどのベース商品は、集客目的や価格戦略だけのクロスセル目的の商品であることがほとんどであり、原価率55%以上の商品も多く存在します。

これらのサプリは、利益は薄いですが、リピート率やLTVが高いため、手堅い収益源になっているケースが多い商材です。

要するに、市場での競争が激しい素材ほど、高く売れず、原価率も高めに設定する必要が出てくるのです。

参考:成熟期における適正原価率の変化と設定基準(2015年1月15日)栗山ブログ
→【続編】続 成熟期における適正原価率の変化と設定基準(2023年10月19日)栗山ブログ

市場全体が成熟している今、過去に広告代理店や通販コンサルが都合良く定めた15%という値は、すでに通販神話時代の話であり、現実的ではなくなっているのです。

▶ 商品力 × 原価率 × LTVの関係 ◀

マーケティングプランを行う上で、忘れてはいけないのが、商品力・原価率・LTV(リピート率)の3つの関係です。

割安感は商品力の大きな要素であり、商品力は原価率を高めることで、容易に上げることができます。一方、利益率が下がり、薄利多売の利益構造を構築する必要性が出てきます。

そして、この商品力は、リピート率(リピート購入率)やLTVに影響します。商品力が高く良い商品ほど、長期にわたって複数回購入され、大きな利益を生みます。利益率が低くても、長期にわたって複数回購入されることで利益を生むことも多々あります。

反対に、商品者を騙して販売している商品の場合、自然リピート率は低く、定期購入縛りもクーリングオフで簡単に解約されてしまい想定のリピート率を維持できません。そのため、ゴミ商品を販売した場合、高い確率で赤字が続いてしまい、ビジネスモデルは破綻してしまいます。この失敗は、広告審査が厳しくなることで、格段に増えています。

メイン素材などのライフサイクルに合った適正な原価率設定により、顧客を満足する商品力で勝負し、少しでも高いリピート率で長期にわたって複数回購入される「高LTV」な商品を目指す必要があるのです。

▶ 成熟した素材商品ほど高原価・高LTV ◀

通販業界に参入し始めた多くの方は「すべての商品が同じ適正原価率である」と勘違いされています。

基本的に、ビタミン・ミネラルを筆頭に成熟した素材(ビルベリー、グルコサミン、コラーゲンなど)は、市場競争がし烈になっているため、コスト合戦で適正原価率が非常に高くなっています。大手サプリメント会社のビタミン・ミネラルの原価率は、50%を超えている商品が多く55%を超えている商品すら存在します。
一方で、先述の通り、高原価率でも、リピート率やLTVが高いので、安定した収益を出していくことが可能なのです。実は、低粗利でも、大手サプリメント会社の稼ぎ頭の商品でもあります。

また、適正原価率は、素材のライフサイクルの変化によっても、変化していくものです。
例えば、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)のサプリメントは、2020年前半と2021年前半では、適正原価率が10%以上異なるでしょう。市場の成熟と共に、適正原価率も上がってきます。最終的には、40%前後の原価率になると予測されます。

この成熟した健康食品サプリメント市場で、勝っていくためには、素材のライフサイクルと適正原価率までしっかり見極めていく必要があるのです。

弊社への問い合わせが多い商品群において、高原価率区分の商品は、を始めたとしたミネラルやビタミン群、プロテイン、コラーゲンが該当します。その他、ビルベリー・ルテイン・グルコサミン・魚油(DHA/EPA)も当てはまります。
また、ゼリーなどの剤形も、一般食品区分の価格設定が多く、高めの原価率になっています。

収益性アップのカギ:LTVの高め方

通販勝ち組の会社では、LTVを高める施策が当たり前のように行われています。LTVを高めることこそ、収益性を高め、通販事業を成功させるための重要なポイントだからです。

ベタな方法は、定期購入コースに誘導することです。多くの通販会社が定期購入コースの継続回数を縛ってLTVを高めようと工夫しています。
また、同梱ツールを始めとした定期購入コースを維持させるための施策も数多く行われています。

<通販同梱ツール一覧>
・挨拶状(サンクスレター)
・商品案内パンフレット
・体験談・お客様の声 チラシ
・定期コース案内
・コンセプトブック
・商品カタログ

※事業開始時は、必ずしも制作会社に依頼しして作成する必要はございません。Wordなどで作成し、プリントアウトした同梱物でも良いのです。近年は、ラクスルなどのネット印刷業者を利用するのも一手です。



意外に、同梱ツールで、LTVの差が生じます! LTVが上がれば、収益性が上がり、新規集客の広告予算獲得にもつながるため、勝ち組の通販会社ほど、徹底したLTV向上戦略が行われています。
まずは、勝ち組や競合会社の商品を購入して、どのような同梱ツールが用いられているかを勉強することから始めることをオススメいたします。

一方、近年、定期購入コースの継続回数縛り(定期縛り)も、容易に行いにくくなっております。また、過度な定期縛りは、顧客満足度を下げることにもつながり、クロスセル等が行いにくくなるため、慎重に行う必要が出てきています。

定期購入コースプラン

その他にも、LTVの高める施策は、複数存在します。
販売の第二ラウンドでも行われるクロスセル商品によるLTV向上も、その1つです。例えば、離脱防止サービス商品というものも存在します。

また、過去に行われていたLTVを高めるCRM型アウトバウンドも、その1つです。一方、電話よりチャット(LINE)という時代になりつつあるので、顧客層に合った最適なアプローチ方法による施策が求められてきます。

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商品開発の段階で勝負の8割が決まる!

という弊社チーフコンサル栗山の格言は、ここまでの1~3を全て加味した上でのビジネスの勝ち負けです。

どんなに体感がある良い商品を作れたとしても、上手く表現してレスポンスが取れない商品であれば、その商品でのビジネスは、なかなか成功しません。
反対に、顧客の満足度が得られなければ、リピートやLTVが得られず、集客コストの垂れ流しが起こってしまうでしょう。

市場も変化するため、必ず勝てる商品は、存在しません。
でも、その時その時で、少しでも勝てる可能性のある商品開発を行っていく必要があるのです。

理想は、【真似されないオンリーワンの商品】
最終的には、そんな商品を追い求めていく必要があるのです。
弊社は、その必要条件の1つが原料戦略だと考えております。

成功の近道は原料戦略から

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4. 更なる成功のための第二ラウンド

上記の1~3の窓口商品で、安定して集客できるようになっても、それは、通販事業成功のスタート地点でしかありません。言わば、ここまでが第一ラウンド。
商品開発に携わる人は、ここからが腕の見せ所です。

理由は、模倣品などが出現することなどによって、窓口商品の広告費用対効果が必ず低下するからです。

この局面で行わなければならない施策は、以下の2点です。

クロスセル戦略・休眠顧客の掘り起こし



通販事業において、窓口商品だけで十分な収益を出していくには、時間がかかってしまうからです。

クロスセル商品(休眠掘り起し商品を含む)の役割は、収益性を高めることです。
通販事業を成功させるには、必須と言っても過言ではないのがクロスセル戦略です。

クロスセル商品戦略

実際、広告費用対効果は良いがLVTの低い窓口商品で集客し、LTVの高いクロスセル商品を収益源としている通販会社さんも少なくありません。「儲け頭、実は広告されていないクロスセル商品」ってことは、よくあることです。

弊社の顧客でも、クロスセル商品展開まで上手くできている会社さんほど成功しています。

次に、休眠顧客の掘り起こしは、様々な手法で行われます。
クロスセル商品を用いた休眠顧客の掘り起こしに関しては、クロスセル商品戦略のページをご参照くださいませ。

さらに、通販事業が多角化していくと、購入単価を高めるアップセル戦略や、顧客の満足度を高めるようなスイッチセル戦略など、様々な商品戦略が行われるようになっていきます。
通販の勝ち組企業は、窓口戦略だけでなく、むしろ、この第二ラウンドでも上手くいっている企業の方が圧倒的に多いのです。

通販勝ちモデルセオリー

弊社は、原料事業でもOEM事業でも、通販企業と共に成長してきている会社です。収益性優先の事業の選択と集中によりサポート事業は止めておりますが、過去、大手美容クリニックの通販事業事業立ち上げや大手製薬会社の通販事業コンサルティングなども行ってきており、通販事業の勝ちモデルを間近で見て参りました。
弊社では、販売サポートまで行いませんが、その勝ちモデルのセオリーを以下のページにまとめております。

通販勝ちモデルセオリー【最終版】

無料でノウハウ公開しております。
ご興味がございましたら、是非、ご一読くださいませ。

公開されている通販方程式は、通販事業に限らず、必見です!
通販の儲けの仕組みが数式化されています。

【コメント】
この高LTVを追い求めた商品開発が最も重要という結論は、弊社チーフコンサルの私:栗山が長年のコンサルや商品開発の経験から導き出した答えです。
失敗しないための不変のセオリーであり、成功への近道であると考えております。
是非、多くの皆様にご活用いただければと考えております。

なお、現在、弊社では、マーケティング関連のコンサルティング等は行っておりません。その点は、ご理解くださいませ。

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記事筆者

株式会社アンチエイジング・プロ 常務取締役 COO
SloIron Inc. 取締役(Stockholder)、順天堂大学医学部 総合診療科 研究員

広告にも精通し、日々、売れる商品(;顧客の成功)のことを考え、健康食品サプリメントの機能性原料開発やOME製造を行っています。…もっと詳しく